個人心理学④ 劣等感

こんばんは。今日は個人心理学における「劣等感」について書いていこうと思います。
そもそも「劣等感」という言葉を使ったのは、個人心理学の創始者であるアドラーだと言われています。
そのくらい劣等感は個人心理学では重要な考えであると言えます。

では、「劣等感」とはなにか、アドラーは「主観的に自分の何らかの属性を劣等であると感じること」と言っています。

また、「劣等感」のほかに「劣等生」「劣等コンプレックス」という言葉も個人心理学ではよく使われます。

「劣等生」は「生活上不利に機能する客観的な属性」。
「劣等コンプレックス」は「ライフタスクへの対処を避ける口実として劣等感を避けること」と定義されています。
ここでの「ライフタスク」とは、自分が取り組まなければならない課題・問題だと思ってください。

なぜ個人心理学では「劣等感」が詳しく追及されているか、私の考えとしては、人生は劣等感を持ちながら生き続けることだと思うからです。

人間である限り劣等感は必ず付きまといます。

なにか目標を達成したとしても、生きている限り次の目標が生まれ、次の目標が生まれる限り劣等感も生まれるのです。

ですが、個人心理学では、劣等感を抱くこと自体は決して悪いことではないと考えます。

劣等感があるからこそ目標に向かって努力することができる。つまり、目標達成への刺激ととらえているのです。

問題なのは、その劣等感を克服する勇気を持ち合わせておらず、劣等感を言い訳に使うようになる「劣等コンプレックス」です。

「劣等コンプレックス」は、例えるなら「私は頭が悪いし、大学も出てないから勉強しても無駄だしいい会社にも就職できない」といった感じです。
本当にそうでしょうか?確かに成績が悪い(テストのテンスが低い)人はいるかと思います。

ですが、それが努力しても無駄とは思えません。少なくとも努力をしなくていい理由にはならないように思います。
結局のところ「劣等コンプレックス」に陥っている人は、努力する勇気が出せない状態にあるのだと思います。

そういった人は、努力はしないが理想は高い傾向にあります。あまりに高い理想を掲げているため、目標までの果てしない道のりで気が遠くなり、やる気も失ってしまっている可能性があります。

そんな時は、まず不完全である自分を認め、完璧を求めず、「今できる努力」をしてみてください。

未来は今の連続でしかありません。今できることをしないで理想と現実の自分のギャップに打ちのめされたままでは、人生を楽しむことはできません。

劣等感を抱くことは悪いことではないこと、劣等感は目標へ向かう刺激であることを説明していきました。

おわかりいただけた人は、ぜひ一度自分の劣等感と向き合い、今できる自分の課題に取り組んでみてください。そこからまた人生は続いていくと思います。




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